不動産レポート JVCエリアについて
今回の不動産レポートは、JVC(ジュメイラ ビレッジ サークル)というエリアについてです。
このエリアは、ドバイで人気のマリーナエリアから内陸側に行った場所であり、ドバイヒルズにも近い場所にあります。
このエリアは、ドバイを代表する会社の一つナキール社が中心となり開発が開発されましたが、ナキール社は2009年の世界的金融危機により財務状況が悪化した為、一部の計画が止まっています。
その後、ナキール社以外の沢山の大中小の開発会社が、エリア内の用地を取得してそれぞれが個々に建設をしている状況です。
最近、このエリアについての相談も多いので、元々私はこのエリアにネガティブですが、再確認すべく、複数のデベロッパーの、いくつかの物件(合計12件)の内覧と、街の状況を見てきたので、皆様にレポートすることにしました。
結論的に、不動産投資をするにはリスクが高いというのが私の意見です。
賃貸で住むという事に関しても、私は積極的にはお勧めしません。
建設中の現場も至る所にある事と、放置されている土地も混在しているので、常に砂ぼこりが舞っています。
今後、道路の開通により緩和されると思いますが、現状では道路の渋滞もあります。
投資リスクに関して
その1
マリーナエリアからここに向かう途中に、広大な土地が余っています。
これは、将来ここよりも立地が有利な開発が行われる可能性があることを意味します。
その場所が残っている以上、ここの物件は常にリスクがある状況です
その2
JVCは、コミュニティーの景観の統一性が無いことや、街全体の清掃も行き届いていません。
これはマスターデベロッパーと呼ばれる、主軸となる開発会社が機能不全の為、街全体の管理ができていません。
また、開発が進む以前に建設された、古くて、家賃の安い物件も街中に混在してしまっており、そのような建物の1階には、所得が低いエリアのような店が並んでいる状況です。
こういう状況を、一定程度以上の家賃を払う層は、嫌がるので、家賃の上昇にはキャップが掛かると思います。
理由3
コミュニティーに、まだまだ空地があり、開発余地があるために、中古市場が下落する可能性が高いことです。
2020年頃からのドバイ不動産の市場の回復に伴い、オフプランを買えば値上がりするという事が起きており、この土地にも、そのような思惑買いが多い状況です。
その頃に計画された物件は高層の物件が中心なので、今後の供給量も多いです。
ポジティブな事実
上記でネガティブな情報を記載しましたが、それはあくまでも私の感想です。
このエリアが良いというエージェントがいるのも事実です。
実際に事実として、このエリアの物件の価格は上昇しています。
賃料もその上昇率には追い付いてはいませんが、上昇している事実もあります。
また、インターナショナルスクールはコミュニティー内には1つですが、近隣には多いので、通学にも便利だと思います。
コミュニティー内のショッピングモールは、今後の人口を踏まえると、キャパシティが不安ですが、良いお店が入っていて、活気もあるので便利だと思います。
しかし、駐車場のキャパシティが現時点でも小さすぎるのと、そこへのアクセスも悪いのは残念なポイントです。
最後に
私が、この地域をネガティブに見ている理由(お客様にお勧めしていない理由)の上記に書いた理由以外のポイントとして、報酬の高い物件が多い事があります。
中古ではなく、オフプランや、完成後にデベロッパーが販売する物件も、エージェントを通じて購入することが基本です。
この際にデベロッパーからエージェントに支払われる報酬が、一般的には3-5%(それでも高い)です。
しかし、この地域の物件は8-9%の報酬を出すという連絡が、エージェントでもある私には来ます。(勿論すべての物件ではありませんが、それなりの数があります)
つまり、販売協力金を多額に出さないと、売れないという認識があるのだと思います。
私は、この事実も含めて、このエリアの物件はネガティブに見ています。
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