どのカリキュラムを選べばいい?大学受験から見て

中学校や高校からインターに編入される場合、大学受験も視野に入ってくると思います。

大学受験と一口に言っても、アメリカ、イギリス、日本、カナダ…と、受験する国によって受験方法は大きく異なります。中学・高校のカリキュラムによって受験方法が異なることも多いです。

今回は、大学受験の観点から、ブリティッシュ、IB、アメリカンカリキュラムを比較していきます。



進学の幅

基本的に、ブリティッシュ、IB、アメリカン、どのカリキュラムでも、世界中の大学に出願することが可能です。3つとも世界的に有名で、アメリカ・イギリスのトップ大学はどれも出願資格として認めています。


<ブリティッシュカリキュラム>

ブリティッシュカリキュラムは、イギリスのカリキュラムということもあり、3つの中で最もイギリスの大学受験に適しています。

適しているというのは、必要最低限の準備で、イギリス大受験ができるということです。


日本では、2016年に大学入学資格として認められるようになり、今では筑波大学などの国立大学や慶應義塾大学などの私立大学で使用することができます。アメリカ、カナダ、シンガポール、オランダ、オーストラリアなどでも認められています。


ただ、A-levelは3〜4教科のみの受講のため、大学で自分が学びたい内容に基づいて、慎重に科目を選ぶ必要があります。進学できる学部が限られる場合があるからです。


<IB>

IBは、3つのカリキュラムの中で最も国際的認知度が高く、世界のほとんどの大学が受験資格として認めています。

IBカリキュラムの生徒の受験枠やIB生への奨学金等を設けている学校もあるのも特徴です。

日本でも、帰国生入試だけでなく、IB入試(日本国内でIBをした学生のみが対象の場合あり)を実施している大学もあります。


IBは勉強量が多く大変だと言われますが、6教科を満遍なく履修するため、行きたい学部が決まっていない学生には、選択肢を残すことができる点でおすすめです。


<アメリカンカリキュラム>

アメリカンカリキュラムでは、American High School Diplomaに加えAdvanced Placement(AP)を取得したことを想定しています。

APは、まだまだ世界的認知度は低いものの、大学入門レベルの内容のため、難易度は高いです。APを用いた入試は、アメリカの大学が主流ですが、最近ではヨーロッパでも認められることが増えてきました。


アメリカの大学では、APの提出は任意で、受けていなくても受験が可能です。

しかし、他の国では、SATの提出も求められたりと、制約がある場合も多いため、アメリカ以外の大学に進学を考えている場合は、注意が必要です。


受かりやすさ・便利さ

私も受験の時に勘違いしていましたが、IBをしているからA-LevelやAPの人より受かりやすい、などということはありません。


ただ、日本の試験官が日本のカリキュラムにより精通しているように、イギリスの大学の試験官は、イギリスのカリキュラムにより慣れ親しんでいます。


イギリスの大学に進学することを決めている場合は、特別な理由がない限り、A-levelをおすすめします。

3〜4教科のみの受講ですので、自分の強みを生かすことができ、IBに比べ点数が取りやすいと言われています。


これは、アメリカでも同様で、アメリカの大学に進学したい場合、わざわざA-levelを選ぶ意味はあまりありません。


便利さという面では、IBが有利です。A-levelやAPに比べ、どの国でも比較的スムーズに受験を進めることができます。

名門大学を含む一部の大学では、IBで一定の点数を取ることで、大学の単位に互換してくれることもあります。

カナダやオーストラリア、ヨーロッパではIBの評価が非常に高く、合格しやすいというメリットもあります。


しかし、やはりどの国も、自分の国のカリキュラムに一番詳しいのは間違いありません。合格点にもの凄い差があるわけではありませんが、受験したい国に合わせてカリキュラムを決めるのも一つの手かなと思います。


必要な書類・プロセス

基本のステップはどのカリキュラムでも同じです。


▷アメリカ:SATやTOEFLの試験を受ける→Common Appまたは大学のサイトから、エッセイ、成績、奨学金の必要有無などを入力→面接(学校による)→合格発表


▷イギリス:英語の試験を受ける→UCASからPersonal Statementと成績、その他情報を入力→テスト、面接(医学部やOxford、Cambridge)→結果通知


▷カナダ、ヨーロッパ:英語試験を受ける(受けなくて良い場合もある)→大学や政府のウェブサイトに成績やその他情報を入力→結果通知


▷シンガポール:英語試験を受ける→大学のウェブサイトに必要な書類や成績、エッセイを入力→テスト・面接→結果通知


▷日本:メール、ウェブサイト、郵送等でエッセイ、成績、その他情報を入力→テスト・面接(大学、学部による)→合格発表

基本的なステップは似たり寄ったりですが、カリキュラムによって提出する書類が異なったり、出願方法が違うこともあります。


例えば、シンガポール国立大学では、APをした学生は、SATを必ず受けなければならず、A-levelの学生は結果が出ていない場合に限りSATの受験が求められ、IBの学生はSATは必要なかったりします。

これは、大学によって本当に千差万別ですが、IBは、英語力試験などはのぞき、そこまで特別なことは求めらなかったという印象です。


点数の目安

<A-level>

イギリスの超名門大学(オックスフォード、ケンブリッジ):A*A*A〜A*A*A*

イギリスの名門大学(インペリアル、UCL、LSE、エディンバラなど):AAA/B〜A*A*A

イギリスのRussel Group 大学(Manchester、Warwick、Bristolなど):A*〜C


アメリカの大学は、成績はあくまで1つの判断基準としてのみ見られます。よって絶対この点数だけあればいけるとか、いけないなどはありません。しかし、イェールやハーバードといったアイビーリーグは大体AかA*は必要です。どの大学に行くにせよ、少なくともCは必要です。


カナダの大学:C以上

ヨーロッパの大学:C以上


<IB>

イギリスの超名門大学(オックスフォード、ケンブリッジ):40〜42

イギリスの名門大学(インペリアル、UCL、LSE、エディンバラなど):38前後〜

イギリスのRussel Group 大学(Manchester、Warwick、Bristolなど):32〜38

アメリカの超名門大学(スタンフォード、イェールなど):40〜

アメリカの名門大学(UCLA、NYU、など):35〜

カナダの大学:30〜

ヨーロッパの大学:30〜


<AP>

イギリスの超名門大学(オックスフォード、ケンブリッジ):3、4教科で5

イギリスの名門大学(インペリアル、UCL、LSE、エディンバラなど):3、4教科で4か5

アメリカ アイビーリーグ:8教科

アメリカのTOP20校:6教科

アメリカのTOP100校:4教科

アメリカのその他大学:1教科


APとA levelの互換表を参考にしてください。



参考

※上記内容は私の経験や調査をもとに記載しています。受験生にとっては非常に重要な内容を含んでいますので、この情報だけで判断しないようにお気を付けください。

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