大学受験 カリキュラム別 (IB編②)


前の記事で、IBを用いた入試方法についてご紹介しました。今回は、IB DPを利用した大学受験のメリットデメリット、またタイムラインをご紹介します。



ぶっちゃけIBって必要?

難しい問いですが、大学受験に関していうと、以下のメリット・デメリットがあります。


<メリット>

①世界中どこの大学でも受けやすい

IBをしていることで、受けられる学校の幅がグッと広がります。国際的な「大学入学資格」のため、予備コース等に入る必要もなく、ストレートで入学できます。


②優遇されている場合がある

IBをしていることで、受けられる奨学金や入試枠があることもあります。

IBをした生徒の方が、大学の合格率が高いというデータもあります。例えば、プリンストン大学の合格率は8%ですが、IB生は16%です。同じくアイビーリーグのコーネル大学も、全体の合格率が18%なのに対し、IB生は31%です。

しかし、「IBをした」からといって、大学に受かるかといえば、そうではないのが現状です。特にアメリカの大学は、学校の成績だけでなく、課外活動やエッセイ、推薦状に重きを置いています。IBの生徒が「受かりやすい」のは、エッセイを書く力があることや、幅広い教養を持ち得ている人が多いゆえなのでしょう。


③語学試験などが免除になることもある

IBのEnglishで一定の点数を取っていることで、TOEFLやIELTSといった英語試験が免除になることもあります。これらは、持っていることに越したことはないのですが、たとえ大学が要求している語学テストの点数に達していなくても、IBをしていることで英語ができる証明になるのです。私も、IELTSが嫌すぎて、IBのEnglishの点数だけで出願しました。とはいえ、この方法は危険なので、英語試験が取れる場合は、取ることをおすすめします!


また、大学に入った後も、IBの単位を、大学の単位に互換できることもあります。カナダの大学、アメリカの大学などで実施されているので、チェックしてみてください。


④エッセイに慣れている

IBは、テストがエッセイ中心で、日頃から書くことを繰り返します。海外大受験において、最も大変なのは、エッセイの準備です。多くの高校生がつまずきやすいエッセイですが、日頃からエッセイを書いているIB生にとっては、比較的とっつきやすいものとなっています。


<デメリット>

①学校の勉強が大変で、他のカリキュラムに比べ大学受験に時間が割けない

元々課題量もテストも多いIBですが、大学受験の真っ最中のG12の1、2学期に提出物やテストが集中します。受験も大変なのに、学校の勉強もやらないといけない…と、焦ってしまう方が多いです。計画性を持って取り組まなくてはなりません。


②アメリカを受ける場合、IBの点数だけでは受けられないことも

これはアメリカの大学の話ですが、アメリカでは、IBの点数は必須ではないため、代わりにSATやACTと呼ばれる共通テストが必要となることがあります。IBとSATを二重で勉強しなくてはならないのが、負担かもしれません。しかし、コロナの影響でSATを無くす方向に動いている大学もあります。


③課外活動が大変

これも、IBの課題量やテストによって、時間がないというのが主な原因です。アメリカの大学を受験する場合は、課外活動が非常に重要になってきます。課外活動をする時間がない、思いっきり取り組めない、と悩むIB生も多いです。



出願タイムライン

アメリカでは、11月前後から早期出願(Early ActionとEarly Decision)が始まります。どのカリキュラムでも同じです。12月から1月にかけて、合格発表があります。アメリカの「合格」は、日本でいう合格と同様で、滅多なことがない限り、取り消されません。

通常の出願時期は、1月ごろが締め切りです。ハーバード大学などアイビーリーグは1月1日や2日と締め切りが早く、応募者が少ない大学は締め切りが遅い傾向にあります。合格発表は、大学によって違いますが、3月から5月にかけて行われます。


イギリスも、どのカリキュラムでもタイムラインは同じです。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、医学部を受験する場合のみ10月15日が締め切りです。その他は、1月末が締め切りです。しかし、先着順に枠が埋まっていく大学もあるので、なるべく早く出願してください。

結果は、順次発表され、人によって異なります。遅くとも5月中旬までには合否がわかります。しかし、この「合格」は、最終成績が出ていない限り、条件付き合格ですので、条件を達成できるように勉強しなくてはなりません。


カナダでは、早期出願が11月中旬ごろから始まり、通常の出願は12月〜2月ごろに終わります。結果発表は、人によって異なり、大学から順次送られてきます。カナダの合格も、合格が確定したものです。


ヨーロッパでは、もちろん国によって異なるのですが、大まかにいうと、10月ごろに出願が始まり、翌年5月まで出願が可能です。ただ、一部の大学・学部は、締め切りが早い場合があります。


シンガポールは、IB生は1月〜2月が締め切りです。結果発表は遅く、大学がIBの最終結果を得てからになります。


オーストラリアは、6月に高校を卒業すると、大学は翌年2月の入学になります。Grade 12の3〜4月に出願し、4〜5月に結果を受け取ります。結果は、イギリスと同じく条件付き合格のため、条件を満たさなければいけません。7月〜9月には、正式に合格をいただけます。



日本は、9月入学か4月入学かどちらの学部に入学するかによって、出願時期が変わってきます。9月入学を目指す場合は、Grade 12の1月ごろが締め切りで、4〜5月にかけて結果発表が行われます。9月入学でも、7月に出願し8月に結果が出、9月に入学する学校もあります。4月入学を目指す場合は、高校卒業後の7月〜翌年1月の間に出願し、9月〜翌年3月に合否発表があります。

詳しくはこちら ↓



おすすめサイト

IBや大学受験についてもっと詳しく知りたい方は、以下のサイトを参考にしてみてください。


Univ-it!

IBの乗り越え方や、日本国外の大学情報にフォーカスして紹介しているサイトです。

EDUBAL

EDUBALは家庭教師の派遣会社ですが、ホームページには、IBや英語学習、帰国子女受験、海外大学の情報等に関する記事も載っていて、参考になります。

Crimson Global Academy

Crimson Educationは、ニュージーランド発祥のオンラインの学校です。名門大学に進学したいと考えている方、ブログに役に立つ情報が載っています。記事は英語ですが、言語設定を日本語にすると日本語でも読むことができます!

ドバイと日本の架け橋へ

私たちはスターツコーポレーション(東証プライム上場)の一員として、ドバイから日本の皆様に、 不動産・VISA・法人設立・教育など様々なサービスをワンストップでご提供しております。